ドイツ・ハルツ蛮行紀⑥クヴェトリンブルク
狭軌鉄道でブロッケン山からヴェルニゲローデまで戻ってきました。
時刻は昼の1時。
これからDBの電車でクヴェトリンブルクまで遊びに行きます。
クヴェトリンブルクまでは、途中のハルバーシュタットで乗り継いで1時間くらいです。
まずはハレ(Halle)行きのHEXに乗ります。
駅では遠足のグループと思しき小学生達と遭遇。
二等席はほとんど埋まっていたので、一等席パスの威力を行使し広々とした個室席を一人占め。
悠々自適に小旅行~と思いきや、なんと制服姿のDB社員が3人ほど一等車に入り込んできた(!?)
こちらを気にする素振りもなく、談笑を始めるおじさんおばさん達。
知ってはいたけどやっぱドイツやべーな(笑)
ハルバーシュタットでターレ(Thale)行きに乗り換え、2駅ほどでクヴェトリンブルクに到着です。
駅前は綺麗な花壇があり、想像していたよりもずっと大きく都会的な雰囲気。
ろくに地図も見ずにふらふら歩いていくと噴水広場に出てきました。
クヴェトリンブルク、初見だと迷子になりました。
道がなんだか複雑で、教会!市庁舎!マルクト広場!な典型的ドイツの街とはちょっと違った作り(をしている気がする)
あまり事前の下調べをしてなかったせいもありますかね。
あまり観光ルートではない道を通ってしまったのか、全然人がいません。
石畳の路地。
こういうガッセ(小路)は雰囲気があって好きです。建物がひしめき合ってるところとか、中世の頃を彷彿とさせる雰囲気がありますよね。
明るい色合いの木組みの家が多いです。
やっとメイン通りのマルクト広場まで出てきました。
急に場所が開けたと思ったらものすごい人。
どうやら市庁舎の横でバンドがライブをしていたようです。
一本路地へ入るとまた一気に静かになります。
教会の前にはハチ公的な銅像の泉が。
水の音が心地良いですね。
泉の向かいには、Eisenbahn&Spielzeugmuseum(鉄道とおもちゃの博物館)というお店が。
看板のすぐ下に敷かれた線路をミニチュアの蒸気機関車が走ってます!しかもちゃんと動いてる!
前向きで外に走ってきた後、後ろ向きでお店の中にまた戻っていきます(笑)
一両編成、ちゃんと人が乗ってるのも細かくて可愛いなぁ~。
つい数時間前に本物に乗ってきたのを思い出すとテンションも一段と上がります。
道中には古いブラウエライ(醸造所)の看板があったり。
麦とホップ、つまりビールのお店ですね。
中世のまだ字が読めない人が沢山いた頃、こうしてそのお店の品物をかたどった看板を出すことで、人々にここが何屋さんなのかを知らせる役割を果たしていたそうです。
古い街に行くとこういう景色がよく見られるので良いですね。
ザルツブルクのゲトライデガッセにも沢山の看板があったのを思い出します。
クヴェトリンブルクには数時間しか居られなかったので、世界遺産の教会の方には行けませんでした。
何しに来たんだという感じですが、小さい蒸気機関車を見て満足してしまったので、あまり遅くならないうちに帰ります。
ハルツ地方では電車はどこも大体1時間に1本です。
直前で電車を逃してしまったので、近場のカウフランドというスーパーで1.5Lの水を買ってきました。
その途中で。
なんということでしょう。
ベルリン名物、アンペルマンがいるではありませんか。
良く良く考えてみればそう、ここクヴェトリンブルクは旧東ドイツ領。
東西分断時代、ハルツ地方はブロッケン山を境に東西に分けられていました。
この後向かうゴスラーの街は旧西側の街だったので、信号は普通のものです。
ヴェルニゲローデとクヴェトリンブルクは旧東側なので、信号機はアンペルマンになってるというわけです。
てっきりベルリンだけだと思ってました。こんなところで歴史の片鱗を感じられるとは思わず……。
またしてもテンション上がりながらヴェルニゲローデへ帰宅。
この日は街を上げての市庁舎祭りの真っ最中。
早朝にホテルを出たので見ませんでしたが、ブライテ通りには屋台や移動式遊園地が沢山出てます。
懐かしいメリーゴーランド。
ミュンヘンに留学していた頃もファッシング(カーニヴァル)の時期にはこれが出てました。ドイツのお祭りには定番ですね。
市庁舎とホテルの間にはMittelaltermarkt(中世市場)なる通りが。
動物の毛皮やはちみつ酒を売る小屋や、
妖しい雰囲気のアンティークショップ。
的当て屋、
謎の木彫りなどなど。
蛮族みのあるお店がいろいろあります。
野外ステージではロックバンドがバグパイプのような音色の楽器で民族音楽を演奏しています。
めちゃくちゃ格好いい。街の風景とBGMが完全にマッチしててファンタジー好きにはたまりませんな。
この日はちょうど夏至、1日が長いです。
夜も11時頃まで明るく賑やかでした。
お店は相変わらず5時で閉まるけどね(笑)
屋台で買ったヴルストを食べます。
ドイツに来たらやっぱりヴルスト食べないとですね。
「Ich hätte gerne eine Bratwurst bitte.(焼きソーセージください)」と言えば買えます。
ヴルストが何種類か置いてるところだと「どれにする?」と聞かれることが多いので、指指せば大丈夫です。
ケチャップとマスタードを付けるか聞かれたので、「Beide bitte.(両方お願いします)」と答えました。
ブラートヴルストはmit Semmel(丸パン付き)がスタンダード。
パンにヴルストを挟んだホットドッグスタイルで提供してくれます。
日本のように柔らかいコッペパンではなく、バゲットのようなハードタイプのドイツパンなので、少食な人ならこれ1個でお腹一杯になっちゃいます。
腹ごなしも済んだので、ホテルに戻って休みましょう。
いよいよ明日は1日フルに使える最終日。
鉱山と魔女の街、ゴスラーに向かいます。
次回に続く。